2017年

11月度CRN研究会 愛知県水産試験場(本場)見学・講演のご報告

 

私たちは、動物タンパク質の約四割を魚介類から摂取しています。そして、水産試験場では、6月から10月にかけて貧酸素水塊の形成状況をモニタリングし情報提供を行っています。「夏季の伊勢・三河湾では、底棲生物(ていせいせいぶつ)の生息に大きな影響を与える貧酸素水塊((ひんさんそすいかい)が形成されます。」 この情報を共有することで自然を糧に生きる漁業の方の暮らしが成り立っています。今回は、水産試験場の視察をして現状を客観的によく知ることから一歩を踏み出してみましょう。

 

 

 

・14時~15時50

  企画普及G   岩田 靖宏 様       (20分)

 

    水試の水試の業務概要 』

 

漁場保全グループ

 伊勢・三河湾の水温や栄養塩などの水質調査やプランクトン観察を行な

うとともに、海況自動観測ブイシステムにより刻々と変化する海の状況を監視

して、赤潮や苦潮、貝毒による被害を最小限にとどめ、豊かな漁場環境を維持

していくための研究を進めています。

 

漁場改善グループ

 干潟や藻場の生態系の構造や機能を解明し、効果的な人工干潟や人工藻

場の造成技術を開発しています。平面水槽や回流水槽などの大型水理実験

施設を用いた試験研究を進め、生態系の修復により水質浄化機能を高め、水

産資源の増大に役立つ研究をしています。

 

 

海洋資源グループ

 漁業調査船による観測や人工衛星画像から海況をモニタリングするととも

に、イカナゴやイワシ類、アナゴなど主要魚種の資源状況や生活史を調査して

評価し、漁業者へ情報提供しています。

栽培漁業グループ、内水面養殖グループ観賞魚養殖グループなどがあります。

 

 

 

 

 

参考資料 詳細は、愛知県水産試験場120周年誌をご参照ください。

 http://www.pref.aichi.jp/soshiki/suisanshiken/0000080589.html

 

 蒲郡の市街地からすこし離れた、三河湾が広がる海沿いに立地する試験場の本場。

いくつもの棟がならぶ建物のなかに入ると、外とは異なる静寂な空間で、研究施設の独特な雰囲気が漂っていました。

 

2・15時30分~17時

 漁場環境研究部長  蒲原 聡 様       (40分)

 

伊勢・三河湾の環境と漁業 』

  

【 項目 】

●伊勢湾・三河湾の形状

●愛知の船びき網漁業(全国1位)

●植物プランクトンは海洋生物の命の源。

◆赤潮発生状況

◆底生性魚介類の貧酸素水塊への応答

◆過去の漁場~三河湾における干潟・浅場の変遷

◆六条潟の稚貝採捕量と県内漁獲量

◆閉鎖性海域中長期ビジョンを受けた環境基準(案)

 

 

 

●伊勢湾・三河湾の形状

 

 

●愛知の船びき網漁業(全国1位)

 

●植物プランクトンは海洋生物の命の源

◆赤潮発生状況

 

◆底生性魚介類の貧酸素水塊への応答

 

 

 ◆過去の漁場~三河湾における干潟・浅場の変遷

 

◆六条潟の稚貝採捕量と県内漁獲量

 

 

 ◆閉鎖性海域中長期ビジョンを受けた環境基準(案)

ご参考 

(水域の底層を生息域とする魚介類等の水生生物や、その餌生物が生存できることはもとより、それらの再生産が適切に行われることにより、底層を利用する水生生物の個体群が維持できる場を保全・再生することを目的に、底層溶存酸素量を新たに生活環境項目環境基準に追加した。 発表日:2016.03.30 環境省 報道発表資料より ) 

 

 http://www.env.go.jp/press/102287.html 

 

 

3.見 学  : 16:00~16:30

 

 

あとがき

地球温暖化にしろ森林伐採にしろ、自然を破壊しながら人類はその恩恵を享受してきた。

つまり、一人一人が気づかないまま自然破壊をしてきたのは間違いない事実である。

高度成長時代によっていつのまにか身につけてしまった経済至上主義と産業論的価値観

それが地域資源のとらえ方を歪めていないだろうか地域資源を経済価値のみに押し込めずに、学びの資源としても活用すべきと思うがどうだろうか。

口では食料自給率の向上や農業の多面的機能を叫びながら、肝心の誰が農山漁村を守り、

誰が種まき収穫して食料を確保するのかの、人間の問題にまともに向かい合えない農政。

その頑迷さと鈍さがこの国の将来を塞いでいる。

当たり前のようだが、人間は一人では生きていけない。同様に、国も地域も単独で生き残ることはできない時代だ。地球温暖化の問題であれば、先進国と途上国は対立することなく手を組まなければならない。水産資源を含む海の生態系について言えば、海に面した地域だけでなく、内陸部である山や森林、河川流域の環境も重要だ。漁業だけでなく、林業や農業に携わる人々も等しく関わっていかなければならない問題なのである。そして、私たち個人個人がそういった社会認識を持つことが重要だ。

 森林の腐植土中で、フルボ酸やフミン酸と強い絆で結ばれた鉄は、河川を通して、あるいは海岸まで森林が追っている場合には、森林地帯から直接、海に流れ込んでいると学んだことがある。

次回はテーマとして、そのフルボ酸やフミン酸について計画したい。   

 (CRN 川崎  修)

 

 

 

事務局長 

中根正道 社会学士

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